WordWorld:Jonathan Swift による『穏健なる提案』

 
「私はあの樹に似てゐる、頭から枯れていく」といふやうな事を云ったのは、稀代の諷刺家、『ガリヴァ旅行記』の作者、Jonathan Swift だが、落日の逆光のなかの裸の樹枝の光景に、私はわが頭脳と神經の事を晩年のスヰフトのこの不安な豫感の呟きを重ねて想像してゐた。
悲劇的な感覺は、どうやら持って生まれたものらしい。









ま、頭から枯れて、死ねばよし。死なぬまでも惚けてしまへば、それはそれでラクなのだらうけど(周圍は大變だらうけど)

ところで、
Swift に A Modest Proposal: For Preventing the Children of Poor People in Ireland from Being a Burden to Their Parents or Country, and for Making Them Beneficial to the Publick 『穏健なる提案:アイルランドの貧民の子供たちが両親及び国の負担となることを防ぎ、国家社会の有益なる存在たらしめるためのといふ長ったらしい表題の論文がある。
内容は、この論文が作られた1726年当時「膨大な数の貧民が数多くの子供を抱えて飢えるアイルランドの窮状を見かねて、彼らに経済的な救済をもたらすと同時に人口抑制にも役立つ解決策を提案した。その提案とは、貧民の赤子を1歳になるまで養育し、アイルランドの富裕層に美味な食料として提供することである」云々
原文 ProjectGutenberg
青空文庫に飜譯がある
今後の人類問題、爆發的に急増する人口と地球環境破壊の現状からする未來への究極的提案として、魯迅の『狂人日記』とともに是非とも眞劍に目を通してもらひたい。かうした「ゴクラクヂゴク」の世界を現出させて人類繁榮を自滅へと狂奔してゐる人間とは一体全体如何なるイキモノなのか、自省的に思想してもらひたい。スヰフト、魯迅、その他多くの諷刺家たちの文學的手法を驅使しての眞劍な諷刺を聞入れなかった人類の、人間性についてグロテスクとなるまでリアルに思想、思考と空想をしてもらひたい。
そして、硝子玉演戲者となれ。
破局はすぐそこに迫ってゐる。


Art of Heart ∈ 思考69空想 ∋ Word of World