AA:一日と永遠:雪

奈良は朝から雪が降りつづいてゐる。關西には大雪、風があればさぞかし吹雪だらうが風はない。しづかに、しんしんと降ってくる。
窗邊に立って降る雪を眺めてゐると、「降る雪や、明治は遠くなりにけり」といふ中村草田男の名句が呟かれた。明治大正どころか、昭和の時代もはるかに遠い、日本も遠い。そんな感じの國になつてしまつた。なにかしら、さういふ思ひをさせる、古都に降る雪。

芭蕉の句で「いざ行かん雪見にころぶ處まで」と思ひながら雪のやむの待つうち、暗くなってしまった。
暗くなつてはしやうがない。さて、雪月花、いづれもわが酒の友、

來しかたを雪にもの思ふひとり酒

Art of Heart ∈ 思考69空想 ∋ Word of World